2018年11月21日(水曜日)

【【咳唾みな珠なり】】


 怨むべく、怒るべく、
 弁ずべく、訴うべく、
 喜ぶべく、愕【おどろ】くべきの際に当り、
 其の気甚だ平らかなるは、
 是れ多大の涵養。
 (呻吟語・存心)

 怨むべくして怨み
 怒るべくして怒る、

 弁ずべくして弁じ
 訴うべくして訴う、

 喜ぶべくして喜び
 愕くべくして愕くというのは、
 よほど涵養した人ですね。

 それがまたそれぞれに味がある。

 非常にできた人が
 怒ったというのはいいものです。

 また泣いたというのもいいものです。

 つまらぬ人間が怒ると
 いかにも見苦しい。

 信用のないものが泣くと
 これはまた情けない。

 同じ喜怒哀楽でもやっぱり
 人物によってみな違います。
 
 おもしろいもので、
 人物ができてくると、
 「咳唾【かいだ】みな珠【たま】なり」
 といって何でもいいものです。

 人間はそうならなければいけません。